ファクタリング出来ない債権って、どんな債権?プロがお断りする債権を紹介します

ファクタリング出来ない債権って、どんな債権?プロがお断りする債権を紹介します

【記事更新 】

2020/09/07

銀行から融資が下りないピンチを乗り切る方法として、ファクタリングを利用する企業が増えています。自社で保有する売掛債権は、ファクタリング会社によって買取可能です。素早く現金化できるため、資金繰りに苦労する企業にとって窮余の一策となります。

ファクタリングで重要なのは「ファクタリング会社に売却する債券の信頼性がどの程度か」という部分です。そこで今回は、ファクタリング出来ない債権について、プロがお断りする事例を交えつつご紹介致します。

【前提】ファクタリング出来ない債権はあるの?

ファクタリングを利用する場合は、ファクタリング会社が行う審査に通過することが前提です。
しかし、売掛債権の種類や状況によっては、審査に通らない可能性もあります。

「売掛債権を持っているから必ず審査に通る」と早合点すると、審査が却下された場合に大きな損失を被ることになりかねませんのでご注意ください。

審査時のポイントとして、ファクタリングでは利用を申し込んだ企業(売掛債権を所持している企業)の経営状態についてはそこまで問題視されません。ファクタリング会社がもっとも注目しているのは、売掛債権の信頼性です。

売掛債権の信用が低ければ売掛金を回収できなくなる可能性があるため、ファクタリング会社側にとってはリスクです。申し込み企業の経営状況が悪くても、売掛金が確実に回収できるのであれば、損失被害は起こりません。売掛先の企業が信頼性の欠ける状態であることが、ファクタリング会社にとってもっとも懸念する事項です。

もし売掛債権の信用性に疑問符が付いて審査に通過しなかった場合は、申込企業は現金化ができなくなります。この場合は、改めて別の方法で資金調達を行う必要があります。

もちろん、企業が持つ売掛債権には様々な種類が存在します。一つの債券で却下されても、別の債権では審査が通過する場合もあります。複数の売掛債権を持つ企業は、別の債券で改めて審査を申し込むといいでしょう。

ファクタリング不可な債権とは

具体的にファクタリングができない恐れのある売掛債権には、どのような種類があるのでしょうか。これらを事前に把握しておくことで、審査に通らない手続きをする無駄な労力を省くことができます。

審査に通りやすい売掛債権を利用して、スムーズな現金化の実現を目指しましょう。

個人事業主・個人相手の債権

申込者本人よりも売掛先が重要視される点が、ファクタリング審査の特徴です。個人事業主や個人の売掛先は信用性が低いと判断され、審査が却下される可能性があります

売掛先の信用度を測る目安として、やはり企業規模は大きな判断材料の一つです。個人事業主や個人では、その面での社会的信用度が測れないため、ファクタリング会社が審査を却下する要因になります。

実際には相手方に何も問題がなくても、回収不能を恐れるファクタリング会社にとってみれば、リスクのある方法はできるだけ避けたいのです。

ただし、これはあくまでも売掛先が個人事業主や個人である場合で、申込側が個人の場合は売掛先の状況とは関係ないため、個人という理由で審査が却下されることはありません。

申込者が、売掛先から借金している場合

売掛先の信用度が高くても、申込者が売掛先から借金をしている場合はファクタリングの審査に通らない可能性があります。

なぜなら、借金の返済が行われない場合に、売掛先は売掛債権を買掛金として相殺できるからです。借金の方が売掛金よりも大きければ、相殺されれば売掛金は全てなくなります。このことは、現金が回収できない大きなリスクとして、ファクタリング会社側は判断します。

また、ファクタリングの契約では償還請求権が付いていないケースがほとんどです。このような契約では、たとえ売掛金の回収ができない状態になっても、ファクタリング会社は利用者に返済を求めることはできません。

ファクタリング会社が一方的に損失を負うことになるため、売掛先から借金をしている申込者の場合は、売掛債権自体の信頼性が評価されない可能性があります。

支払いが遅延している債権

支払いが遅延している売掛債権も信用性が低いため、ファクタリングの利用ができない恐れがあります。

そもそも決済日が来ても支払いが行われないような債権は、不良債権化する危険性があります。信頼性が保たれず、回収不能な債権になるリスクが高まります。

ただし、支払い期日が過ぎている売掛債権の全てがこれに該当するかというと、そういうわけではありません。

支払いが遅れていることに関して、やむを得ない事情や正当な理由がある場合は、信頼できる売掛債権と判断される可能性もあります。売掛債権の健全性の判断は、それぞれのファクタリング会社の基準によっても違いがあります。

また、売掛先が過去に支払い遅延の履歴がある場合も問題です。このような売掛先であれば、信用性の調査段階で、危険な債権として認識される恐れがあります。

ファクタリング会社は、特に売掛先の信用性については厳重な審査を行います。正当な理由なく支払遅延を起こしているような企業の売掛債権は、審査の通過要件が満たされていないため、却下される可能性は高いと判断できます。

【グレー】3ヶ月以上先の支払い期日が設定されている債権

ファクタリング会社にとって、売掛債権を買い取った場合にそれが現金化できない状態が続くことはリスクです。かなり先の支払期日が設定されている債権では、回収までに日を要するため、リスクの持続期間が長くなります。

その間に、売掛先の企業の経営状態が悪化することもあり得ます。一般的に3ヶ月以上先の支払期日になっている売掛債権は、リスクの高さからファクタリング会社の審査に通らない可能性があります。

但し、このようなケースが一般的に多いという意味であり、必ず全てが却下されるという意味ではありません。利用するファクタリング会社の方針によっては、支払日が通常より先の売掛債権であっても、審査にパスすることもあります。

ファクタリング会社の担当者に対して、事前に条件を確かめておくことが大切です。

町内会や趣味サークル相手の債権

売掛先が個人事業主の場合は、ファクタリング会社の審査に通らない可能性が高いということは既に述べました。

では、売掛先が町内会や趣味サークルのような場合はどうなるのでしょうか。これもまた、個人の売掛先と同じ判断になります

これらは「権能なき社団」とも呼ばれます。権能なき社団は、法律の規定に沿って作られた法人ではないため、法人格ではありません。したがって、売掛先として見た場合も、個人事業主や個人と変わりがないと判断されます。

結果として売掛債権の信頼性は低いと見なされます。

【ファクタリングが認められるケース・断られるケースを比較】

※画面横幅が小さい場合は横にスクロールします
ファクタリングが
認められる可能性が高いケース
ファクタリングを
断られる可能性が高いケース
売掛先 経営状態が良好な
法人企業
個人事業主・個人
(町内会やサークル等も含む)
債権の
支払い期日
3ヶ月以内 3ヶ月以上
(あるいは未定)
債権の
支払い遅延
理由なき支払い遅延がなく
スムーズに回収できている
理由なき遅延が発生している
(あるいは過去に支払い遅延があった)
【今回のまとめ】
ファクタリングする債権は有効なものを選ぼう!
ファクタリングでは、有効な売掛債権で審査を申し込むことが大切です。

有効な債権とは、債権に高い信頼性があることです。売掛先が企業として信頼があり、過去の取引実績においても理由なき遅延が発生していないことが条件です。

売掛先の企業規模がしっかりしていて、信用性が十分に備わっていれば、売掛債権に信用がおけると判断され、速やかに審査はパスするでしょう。

もちろん、審査基準はファクタリング会社によって異なる面もあるため、申し込み前から決め付けることはできません。申し込む側としては、有効と思われる債券を自分なりに判断し、依頼をすることが大切です。

ファクタリングで現金化できるのは、基本的には入金日が定まった確定債権だけです。そのような債権を持っていなければ、確定債権以外も扱うファクタリング会社を探す必要があります。

但し、ファクタリング会社にも信頼性の高い業者もあれば、著しく欠ける業者もあります。よく調べないで慌てて業者を探すようなことになれば、サービスの悪い会社を利用して不利益を被る可能性もあります。

時間的な余裕がある時に、各ファクタリング会社を比較検討し、信頼できる業者を見つけておくことが大切です。
弊社は事業者様と共に
ファクタリングサービスを通じて
社会へ繋がっていきます。