倒産が増える局面で“最初に壊れる数字”はどれ?資金繰りの警戒アラーム10個

倒産が増える局面で“最初に壊れる数字”はどれ?資金繰りの警戒アラーム10個

【記事更新 】

2026/02/17

近年「倒産」してしまう企業が増加傾向にあります。長引く物価高や円安などの影響もあり、特に中小企業にとっては厳しい経営環境が続いているのは事実です。

こうした厳しい環境の中で、倒産という最悪の結果を招かないためにも、経営者として常に自社経営に注目しておく必要があります。では具体的にはどの部分に注目すべきか。このあたりを解説していきましょう。

2025年の倒産件数は12年ぶりに1万件突破

企業信用調査を行う日本最大級の企業である「帝国データバンク」の調べでは、2025年に倒産した法人の件数は10,261件となっており、年間の倒産件数が1万件を超えるのは2013年以来 12年ぶりとのことです。倒産件数の増加はこれで4年連続となり、中小企業にとっては厳しい経営環境であることが伺えます。

倒産にはさまざまな理由が考えられますが、2020年頃に発生したコロナ禍を乗り切るために借り入れた借入金の返済が出来ずに倒産する企業も少なくないようです。

「利益」よりも「キャッシュ」が重要

企業が倒産すると聞くと、赤字経営が続き結果現金不足に陥ると考えられる方も多いかもしれません。しかし、しっかりと利益を確保していても倒産する企業はあります。

企業が倒産をするのは、利益が低いから、足りないからではありません。単純に手元の現金が足りないから倒産をするのです。例えば「黒字倒産」という言葉がありますが、経営上黒字でも、手元の現金が不足すれば支払いができなくなり、結果倒産するしかないということになります。

倒産に関しては利益を考える以前に、何より手元のキャッシュに注目する必要があります。

資金繰りの警戒アラーム【財務面9選】

では、資金繰りが悪化していく中で、どの数字が最初に壊れるのか、その後どのように自体は推移していくのかという点に注目してみましょう。まずは財務面で注目すべき数字に関して9つ解説していきます。

利益率の低下

倒産に直結するのは利益ではなくキャッシュですが、そのキャッシュの量に直結するのはやはり利益ということになります。円安相場が続き、物価高騰が止まらない2026年現在、同じ製品を生産するにもコストが以前よりもかかってしまうケースは多いでしょう。しかし、ライバル企業の存在などを考えれば、簡単に値上げというわけにもいきません。徐々に利益率が低下していけば、当然キャッシュ不足の可能性は高くなるでしょう。

現預金残高の減少

利益率の低下に関しては業種によって影響の大きさに差があるともいえます。現実的に「最初に壊れる数字」と聞かれれば、やはりキャッシュ、つまり現預金残高ということになります。手元のキャッシュが少なくなることで、より倒産に近づくことは間違いありません。

手元流動性比率の低下

手元流動性を言い換えれば「現預金月商倍率」となります。簡単に言ってしまえば月商の何か月分の預貯金を持っているのかということを表す数字です。もちろん大きいほど経営状態は安定します。あくまでも一般論ですが、この手元流動性比率が2ヶ月分を切ると危険信号といえるでしょう。つまり預貯金が月商の2ヶ月分よりも低くなると、倒産の可能性が一気に高まるということになります。

在庫負担の上昇

急激に売上がアップした場合や、新製品開発、新規事業のスタートなどで在庫が増えるというケースはあるでしょう。在庫が増えるということは、それだけ自社が持っている現金が在庫に置き換わっているということです。見方を変えれば倒産のリスクに直結する状態でもありますので、どのような状況でも適切な在庫の確保を念頭に置くようにしましょう。

手形取引の増加

在庫の増大や利益率の低下などで、手元のキャッシュが少なくなってしまった場合、取られる手段の一つとして手形取引を増やすという方法があります。手形にすることで支払いタイミングを遅らせることができます。

ただし、国の方針として、2027年3月末を目処に紙の手形による商取引は廃止される予定です。電子交換所の運用終了が予定されているため、手形取引を利用した支払いの延長は近い将来使用できなくなります。その他の方法を準備しておきましょう。

売掛金サイトの長期化

売掛金が入金されるまでの期間が長期化する原因はいろいろ考えられます。取引先企業の資金繰り悪化や、自社の請求漏れなどが理由で売掛金の入金が遅れてしまうと、当然ですが手元のキャッシュも目減りしてしまいます。

特に厳しい経営状況である場合、取引先企業の与信調査が不足し、売掛金の支払いが遅れるというケースが考えられます。

銀行からの融資謝絶

利益率が下がる、手元の現金が減る、売掛金の回収が遅れるなどの事態が発生すると、銀行等金融機関からの融資を受けるのが難しくなります。さらにこの後紹介するような支払いの遅延などが発生すれば、新規貸し付けの謝絶だけではなく、すでに借り入れている融資の返済がリスケされるなど、より資金繰りが厳しくなってしまう対応を取られかねません。

買掛金の支払い遅延

手元の現金が不足し、手形の発行も難しいとなれば、当然買掛金の支払いも厳しくなります。自社の状況を丁寧に説明し、買掛金の支払いを延期してもらえるケースもありますが、必ず上手くいくとも限りません。買掛金の支払い遅延は自社の信用情報に傷をつけることになりますし、何よりその取引先と今後取引を続けていけるかどうかという大きな問題にもつながりかねません。

税金や社会保険料の滞納

買掛金以上に気を使いたいのがいわゆる公租公課の納付です。所得税や固定資産税と言った税金や、健康保険料などは納付期日が定められており、この期日から遅れると最大年8.7%(2025年現在)の延滞税が課せられます。また、督促を無視して支払いを怠れば、裁判を経ることなく差し押さえが可能となるため、早急な対応が求められます。

税金や社会保険料の滞納は是が非でも避けたいところです。

資金繰りの警戒アラーム【その他】

資金繰りが悪化した場合の警戒アラームは何も財務面に限ったことではありません。自社内の状況などでも警戒すべきポイントはありますので、そんなポイントをいくつか紹介しましょう。

社内にも様々な変化が起こる

まず警戒すべきは離職率の上昇です。自社で働いている社員は、経営者の想像以上に自社の経営状態に敏感です。特に経理部やある程度の地位にある人材が退職をしてしまうと、より従業員に危機感を与えてしまい、離職率は上がってしまうでしょう。

経営状態が悪い中で人材不足となるのはかなり深刻な事態です。こういったタイミングで人材を募集しても、なかなか集まるものではありません。

また、キャッシュを確保するため、細かな部分の出費を制限することで、社内の労働環境が悪化することも考えられます。電気代を抑えるためにエアコンの使用を制限したり、清掃業者との契約を切るなどした場合、職場環境は悪化し、これも離職率アップの原因になりかねません。

従業員に大きく影響するのが経営者の動きです。経営者が金策のために奔走することで、本業に関わる機会が減ってしまうようでは、従業員も安心して働けません。経営者と連絡が取りにくくなるだけでも従業員は不安になるものです。厳しい状況の中でも経営者としてしっかり従業員を守るための動きを心がけましょう。

危険を察知したら素早い対応を

経営者として自社の経営状態の悪化を察知したら素早く対応する必要があります。そのためにも重要になるのが、日頃から自社のキャッシュフローを的確に把握し、自社の資金繰りが悪化していないか現状を知っておくことです。

では、どのように現状を把握し、もし危険を察知した場合、どのような動きをすべきかを考えてみましょう。

資金繰り表で現状を把握する

まずは何より重要な現状の把握です。資金繰り悪化で最初に壊れる数字は自社の預貯金です。この点を知るために、定期的に資金繰り表を作成し、経営が順調に進んでいるのかどうか、危険なタイミングはないかという点を把握しておきましょう。

もちろん会社経営をしていれば、数か月前に作成した資金繰り表通りに進まないというケースもあるでしょう。急な出費があった場合、売り上げが想定を下回った場合などは、すぐに新たに資金繰り表を作成するなどして、自社の状況を把握しておきましょう。

在庫の見直しや支払いの先延ばし依頼を行う

資金繰り表で現金不足が発生してしまう、手元流動性比率が低下してしまうなどが判明したら、早急な対応が求められます。まず真っ先にチェックしたいのが在庫の状況です。過剰在庫になっていないか、在庫の最適化ができないかなどを検討してみましょう。

また、取引先に買掛金の支払い先延ばしをお願いする場合も、できるだけ早い段階が望ましいと言えます。手をこまねいたままより状況が悪化した状態でお願いしてしまうと、取引先にも悪い印象を与えてしまい、今後の取引に影響が出かねません。

早めのタイミングで、しっかり事情を説明して依頼をした方がいい結果につながる可能性は高いでしょう。

利益があるならファクタリングでキャッシュフローを改善する

手元の現金を増やすのであれば、借入金を増やすか手持ちの財産を現金化するのが最適です。しかし、新規で融資を申し込んでも、融資を受けるまでに一定期間の時間がかかります。その上審査も厳しく、謝絶されてしまう可能性も否定できません。

そこで利用したいのがファクタリングです。ファクタリングを手元にある売掛債権を、ファクタリング会社に譲渡することで、売掛金を早期現金化するという資金調達法であり、現金不足が問題となっている企業には最適な資金調達法と言えます。

何よりファクタリングは借入ではありませんので、返済義務がありません。借入を増やさずキャッシュフローを正常化させましょう。キャッシュフローが落ち着けば金融機関からの融資審査にも通りやすくなります。根本的な現金不足を融資で解消できる可能性も広がります。

【今回のまとめ】
営業キャッシュフローに常に注目しておこう
2025年は1万以上の企業が倒産しました。最初に紹介した帝国データバンクの記事では、このうち60%以上が負債額5,000万円未満だったそうです。つまり小規模事業者、中小企業の倒産が増えているということです。

こうした危機に直面しないためには、何より日頃から営業キャッシュフローを意識しておくのが重要です。その中で少しでも現金不足の予兆が見えたら、素早い対応を心がけましょう。

直接的に現金を増やすという意味でも、ファクタリングは利用しやすい資金調達法です。企業経営者として、さまざまな現金確保の方法を準備してまさかの事態に備えましょう。
弊社は事業者様と共に
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