退職代行を使われたらやるべきことは?拒否できる?辞められたら困るときの対処を紹介

【記事更新 】
2025/05/06
昨日まで出勤していた従業員から、突然退職代行サービスを通して退職の連絡がくると、経営者としてどう対処すべきか、対応に困るものです。
昨今では退職代行サービスの利用が増加しています。利用者側のニーズは高い一方で、歴史が浅いこともあり、経営者がどう対処すべきか情報が少ないため、判断に迷うことも多いもの。
本記事では、そんな退職代行にどう向き合えば良いのか、仕組みや特徴を理解し、取るべき対応をまとめました。急に退職者が発生した場合の資金繰り対策として「ファクタリング」も紹介します。ぜひ参考にしてください。
退職代行とは何か
昨今の労働環境の変化に伴い、誕生したのが退職代行サービスです。従業員の退職意思を第三者が代わりに伝えるため、経営者側としても突然の連絡に戸惑うでしょう。まずは、退職代行の基本的な仕組みを理解しておきましょう。
退職代行サービスの基本的な仕組み
本人が退職を直接伝えにくい状況で利用されるのが、退職代行サービスです。従業員本人に代わり、会社へ退職の意思を伝えるのが主なサービスです。
サービス提供者は弁護士、労働組合、民間業者の3種類があり、それぞれ権限や対応範囲が異なります。
従業員が業者に依頼して、その後、業者が会社に対して退職の意思を伝えます。退職代行サービスの種類によって、手続きをどこまで行うかは異なりますが、退職届の作成や会社から貸与されていた物品の返却などは従業員本人が対応することが多いです。
退職代行が選ばれる背景
退職代行が利用されるようになった背景として、上司からのハラスメントや、退職を言い出しにくい職場環境があると言えるでしょう。
中には、未払い賃金などのトラブルを抱えているケースもあります。直接顔を合わせることなく辞められるというのは、従業員にとって願ってもないサービスです。
2018年以降、特に若い世代を中心に退職代行サービスの利用が増加しました。働き方や労働に対する考え方は変化しており、今後もこのサービスは広く普及すると考えられます。
退職代行サービスの形態と特徴
弁護士による退職代行は、基本的にはどんなケースにも対応可能です。依頼者の代理人として活動できるため、未払い賃金の請求や、ハラスメントによる慰謝料請求など、退職に伴う法的トラブルへの対処なども行えます。
労働組合による退職代行は、団体交渉権を有しています。労働者の権利保護の観点から、条件面での交渉力に長けているのが強みでしょう。
民間業者による退職代行は、退職の意思を伝えるのみでいわばメッセンジャーです。そのため、代理交渉や法的手続きはできません。最も利用が多いのが民間業者ですが、このように複雑なケースには対応しきれないことがあります。
退職代行を使われた場合に経営者が取るべき行動
では、実際に退職代行サービスから連絡があった場合はどのように対応すべきでしょうか。まずやるべきことと手続きの進め方など、法的な観点も踏まえながら解説します。
初動で確認すべきポイント
まず、弁護士、労働組合、民間業者のどこからの連絡か確認しましょう。
本当に従業員本人からの依頼なのか、本人の意思確認や委任状・身分証明書の提示を求めることで、なりすましを防ぐことができます。
連絡があった日時や担当者名、退職希望日など、速やかに社内で情報共有しましょう。
退職手続きの進め方と注意点
退職代行業者が交渉権を持たない場合は、本人と直接やり取りする必要がある旨を伝えます。民間業者の場合、退職意思の伝達以外に交渉などはできません。
貸与品の返却や退職届の提出、社会保険や税金の手続きなどを確実に進めましょう。
本人に直接連絡することはトラブルの原因となるため、やむを得ない場合をのぞいて控えるのが無難です。
退職代行は拒否できるのか
本人の退職意思が明確な場合、会社側は原則として拒否できません。日本の法律では労働者の退職の自由が保障されています。
民間業者が代理交渉を申し出た場合は、非弁行為(弁護士法違反)となる可能性があるため、断ることが可能です。
弁護士や労働組合でなければ、引継ぎや退職金といった条件面での交渉にも応じる必要はありません。
辞められたら困る場合に経営者ができること
中小企業では特定の人材に業務が集中していることも多く、突然の退職は事業の継続に大きな影響を与えることがあります。人材の流出を防ぎ、従業員が定着しやすくするための工夫や、万が一退職が決まった場合の対応について解説します。
「辞められたら困る人」の特徴と離職理由
専門性が高く、重要なポジションについている人材は、会社にとって不可欠な存在です。
こうした人材が退職を決意するきっかけとなるのが、キャリアアップや待遇への不満、職場の人間関係などです。成長を実感できない、正当な評価が得られないという不公平さを感じていることなども、退職を考える要因となるでしょう。
経営層と現場の認識のズレや、満足のいくフィードバックがないことで、優秀な人材が自分の価値を見出せなくなることもあり、退職に繋がるケースもあります。
人材流出を防ぐための具体策
待遇改善や福利厚生の充実、柔軟な働き方を取り入れましょう。業界の給与相場を把握し、適切な報酬を支払うことで、離職率を下げることができます。金銭面だけでなく、従業員がワークライフバランスを取れるよう、休暇もしっかりと与えるようにしましょう。
定期的に面談を行い、従業員の悩みや不満をヒアリングしましょう。不満が積み重なって退職に繋がるケースもあるため、問題が大きくなる前に対応することで、信頼関係を構築できます。
また、キャリアパスを明示し、将来のビジョンを描きやすくすることで、従業員の帰属意識を高め、離職防止につなげることができます。
重要人材の退職が決まった場合の対応
業務の引き継ぎやマニュアル化を徹底し、知識や情報が個人に依存しない体制づくりを心がけましょう。
業務を引き継いだ人員の負担が過剰にならないよう、業務を分担することが大切です。キーパーソンの退職は、他の社員の不安を招きやすいため、残る従業員へのフォローも適切に行い、連鎖退職を防ぎましょう。
場合によっては、一時的な派遣会社の活用や、即戦力の採用も検討しましょう。退職者の補充だけでなく、今後の人材戦略全体を練り直す機会と捉え、採用基準の見直しをするのも良いかもしれません。
資金繰り対策としてのファクタリング活用
人員の入れ替わりに伴い、思いがけず資金が必要になることもあるでしょう。ここでは、資金調達方法として注目されているファクタリングについて、詳しく見ていきましょう。
ファクタリングは売掛金を早期に現金化できる資金調達手段で、審査から資金化まで最短即日での対応も可能です。売掛金を買い取ってもらうことで、支払期日を待たずに現金の調達ができます。
ファクタリングの基本とメリット
ファクタリングは、売掛金を売却することによって、速やかに現金化する資金調達方法です。申込から最短即日で資金を確保できるため、急な支出にも対応できます。
銀行融資とは異なり、赤字や債務超過の状態でも利用できる場合が多いです。事業の将来性ではなく、取引先の信用力を評価基準としているからです。
借入ではないため、財務諸表上の負債が増えず、信用情報にも影響しません。また決算対策としてもおすすめで、資金調達履歴が外部に知られにくいです。
突然の資金需要に強い理由
退職代行を通じた退職の場合、未払い賃金の清算や人材補充に、急いで資金を投入しなくてはなりません。そんなときに、ファクタリングはおすすめできます。
審査では、売掛先の信用力を重視するため、経営状況にやや不安のある中小企業でも利用しやすいです。創業間もない企業や業績変動がある企業でも、優良な取引先があれば審査に通りやすくなります。
新規事業や設備投資などの急な資金需要に対しても、スピード感を持った対応が可能です
ファクタリング利用時の注意点
ファクタリングを利用する際は、手数料や契約条件、売掛先との関係性を事前に確認しましょう。二者間ファクタリングと、売掛先を巻き込んだ三者間ファクタリングでは手数料率が異なります。
売掛先に知られたくない場合は二者間を、手数料を抑えたい場合は三者間を検討しましょう。
また、あくまでもファクタリングは短期的な資金調達計画の一環として検討することがおすすめです。長い目で見て、資金繰りを改善するには他の手段も併用するべきでしょう。
本人の意思であれば退職自体は拒否できませんが、適切な手続きを踏むよう依頼することは問題ありません。重要な人材の流出を防ぐためには、日頃からの待遇の整備やコミュニケーションを取ることが大切です。
当社では退職代行対応や人材確保にお悩みの経営者様からのファクタリングに関するご相談を随時承っております。一人で悩まず、ぜひ相談してください。豊富な経験を持つ担当者が、貴社に合った最適な資金調達策を提案させていただきます。