ファクタリングの手続きにかかる時間はどのくらい?流れも解説
【記事更新 】
2026/10/09
資金が必要になったとき、ファクタリングの手続きにどれくらい時間がかかるのかは、多くの経営者が最初に気にする点です。「最短2時間」といった表現を目にすることもありますが、それが誰にでも当てはまるわけではありません。実際の所要時間は、契約の方式や書類の準備状況、申し込む時間帯によって大きく変わります。時間の見通しが立たないまま進めてしまうと、支払期日に間に合わないという事態にもなりかねません。本記事では、ファクタリングの手続きにかかる時間の目安を工程ごとに整理し、時間を左右する要因と、手続きを早く終わらせるための準備について解説します。資金繰りの計画を立てる際の参考にしてください。
ファクタリングの手続きにかかる時間の目安
ファクタリングは銀行融資に比べて資金化までの期間が短い資金調達手段です。ただし、契約方式によって所要時間は大きく異なります。まずは全体の目安を押さえておきましょう。
銀行融資の場合、申し込みから実行まで2週間から1か月程度かかるのが一般的です。決算書の分析や保証協会の審査、担保・保証人の確認など、確認すべき事項が多いためです。これに対してファクタリングは売掛債権の売買であり、審査の主な対象は利用者ではなく売掛先の支払い能力です。担保や保証人も原則として不要なため、確認すべき範囲が限定され、結果として資金化までの時間が短くなります。急な支払いに備える手段として、この時間差は大きな意味を持ちます。
2社間ファクタリングの所要時間
利用者とファクタリング会社の二者だけで契約する2社間ファクタリングは、売掛先への通知や承諾が不要なため、手続きが短時間で完了します。オンライン完結型のサービスであれば、申し込みから入金まで最短2時間程度、一般的には当日中から翌営業日というのが実際のところです。書類が揃っていて売掛先の信用力に問題がなければ、その日のうちに資金を受け取れるケースは珍しくありません。手数料の相場は10〜30%程度と3社間より高くなりますが、スピードを最優先する場面では有力な選択肢になります。
3社間ファクタリングの所要時間
3社間ファクタリングは、売掛先を含めた三者で取引を行う方式です。売掛先への通知と承諾が必要になるため、その返答を待つ時間が発生します。売掛先の社内手続きに数日かかることもあり、全体では3日から1週間程度を見込んでおくのが現実的です。時間はかかりますが、ファクタリング会社にとってリスクが低い分、手数料の相場は1〜9%程度と大きく抑えられます。支払期日まで余裕がある場合は、3社間を選んだほうがコスト面で有利になることが多いといえます。
申し込みから入金までの流れと各工程の時間
全体の所要時間を把握するには、工程ごとにどれくらいかかるのかを知っておくと役立ちます。ここでは2社間ファクタリングを例に、一般的な流れを追っていきます。
申し込みと仮査定
まずはウェブフォームや電話で申し込みます。売掛金の金額、売掛先の名称、支払期日といった基本情報を伝えると、多くの会社では数十分から数時間で概算の手数料と買取可能額が提示されます。この段階はあくまで仮の見積もりであり、正式な条件は書類確認後に決まります。複数社に同時に申し込んで条件を比べる場合も、この仮査定までは短時間で済むため、比較検討の負担はそれほど大きくありません。
必要書類の提出
仮査定の条件に納得したら、請求書や通帳の写し、決算書、身分証明書などを提出します。書類が手元に揃っていれば30分程度で完了しますが、通帳の記帳が済んでいなかったり決算書が見つからなかったりすると、ここで半日から1日を失うことがあります。実際のところ、手続き全体が遅れる原因の多くはこの工程にあります。オンライン提出に対応している会社であれば、撮影した画像をアップロードするだけで済みます。
審査と面談
提出された書類をもとに、売掛債権の実在性と売掛先の支払い能力が確認されます。所要時間は数時間から1営業日程度です。必要に応じて電話やオンラインでの面談が行われ、取引の経緯や資金の使途について質問されます。ここで書類の内容と食い違う説明をすると追加確認が発生し、時間が延びてしまいます。事前に取引の経緯を整理しておけば、面談は30分程度で終わることがほとんどです。
契約手続きと入金
審査を通過すると、債権譲渡契約書を締結します。電子契約に対応している会社であれば、画面上で内容を確認して署名するだけで30分ほどで完了します。対面契約や郵送契約の場合は、移動時間や郵送日数が加わるため、1日から数日を見ておく必要があります。ただし、早く終わらせたいからといって契約内容の確認を省くのは避けるべきです。手数料の総額、償還請求権の有無、解除条件などは必ず読み込んでから署名しましょう。
契約が完了すると、指定口座へ買取代金が振り込まれます。同一金融機関であれば数十分、他行宛でも当日中に着金するのが一般的です。ただし、金融機関の当日扱いの締切時刻を過ぎると翌営業日の入金となります。多くの銀行では平日15時前後が振込の当日扱い期限です。この締切を意識せずに手続きを進めると、審査自体は当日中に終わったのに入金は翌日、ということが起こります。
手続き時間を左右する3つの要因
同じファクタリング会社を使っても、案件によって所要時間には差が出ます。その差を生む主な要因を整理します。
書類の準備状況
最も影響が大きいのが書類です。請求書、取引基本契約書、直近数か月分の入出金が確認できる通帳、決算書、納税証明書などが求められます。これらが揃っているかどうかで、半日から1日単位の差が生まれます。日頃から請求書の控えと通帳の記帳を整理しておくだけで、いざというときの手続きは大幅に短縮できます。
売掛先の信用力と債権の内容
売掛先が上場企業や官公庁のように支払い能力が明確な場合、審査は短時間で終わります。反対に、設立間もない企業や取引実績の浅い相手が売掛先である場合は、追加の確認が入り時間がかかります。支払期日までの期間が極端に長い債権や、金額が売上規模に対して不自然に大きい債権も、確認に時間を要する傾向があります。
契約方式と申し込む時間帯
オンライン完結型のサービスは、申し込みから契約、入金までを画面上で進められるため、移動や郵送の時間が発生しません。一方、対面での面談や来社契約を求める会社では、日程調整の時間が加わります。訪問による面談は丁寧な説明を受けられるという利点もあるため、スピードだけで優劣が決まるわけではありませんが、時間の見積もりには影響します。
午前中に申し込めば当日中に入金まで到達する可能性が高く、夕方以降の申し込みでは翌営業日になることがほとんどです。また、金曜日の夕方に申し込むと、着金は翌週月曜となる場合があります。月末や連休前は申し込みが集中して審査が混み合うため、通常より時間がかかることも想定しておきましょう。
手続きを早く終わらせるための準備
所要時間は、利用者側の準備によってかなりの部分をコントロールできます。すぐに実践できる工夫を紹介します。
書類を事前に揃えておく
資金が必要になってから書類を探し始めるのでは間に合いません。請求書の控え、通帳の写し、決算書、本人確認書類をひとつのフォルダにまとめ、電子データとしても保管しておきましょう。急な資金需要に備えて四半期に一度は内容を更新しておくと、申し込み当日に迷うことがなくなります。
午前中に申し込む
当日中の入金を狙うなら、遅くとも午前中には申し込みを完了させるのが基本です。審査、契約、振込という3つの工程を1日で終えるには、それぞれに数時間の余裕が必要になります。午前中に動き出せば、途中で追加書類を求められても対応する時間が残ります。
質問に即答できるよう情報を整理する
売掛先との取引開始時期、取引の頻度、過去の入金実績、資金の使途といった項目は、面談でほぼ必ず確認されます。これらを事前にメモにまとめておけば、その場で調べる時間が不要になり、面談時間そのものが短くなります。回答が明確であることは、審査担当者に与える印象という面でも有利に働きます。
時間に関して注意しておきたいこと
スピードは魅力ですが、速さだけを基準に判断すると思わぬ不利益を招くことがあります。最後に押さえておきたい点を挙げます。
「最短2時間」は最短であって標準ではない
広告に表示される所要時間は、条件がすべて整った理想的なケースの数字です。書類が揃い、売掛先の信用力が高く、既に取引実績がある場合に達成される値だと理解しておきましょう。初回利用では書類確認や本人確認に時間を要するため、当日中から翌営業日を標準的な見込みとして計画を立てるほうが安全です。
急がせる業者や即決を迫る業者には注意する
「今日中に契約しないと条件が変わる」といって判断を急がせる業者には慎重に対応すべきです。契約書を読ませない、手数料の内訳を説明しない、といった対応が伴う場合はなおさらです。手続きの速さと、契約内容を確認する時間を与えないことは全く別の問題です。少なくとも手数料の総額と償還請求権の有無は、署名前に必ず確認してください。
2回目以降は短縮されることが多い
一度取引が成立すると、会社側に利用者と売掛先の情報が蓄積されます。そのため2回目以降は書類の一部が省略され、審査も短時間で済むようになります。同じ売掛先の債権を継続的に譲渡する場合は、当日中の資金化が現実的な選択肢になります。信頼できる会社を1社見つけて関係を築いておくことは、将来の資金繰りの安定にもつながります。
ファクタリングの所要時間は、2社間なら当日中から翌営業日、3社間なら3日から1週間程度が現実的な目安です。この時間を短縮する鍵は、業者選びよりも自社側の準備にあります。書類を整え、午前中に動き、質問に即答できる状態を作っておく。この3点を押さえておけば、急な資金需要にも落ち着いて対応できるはずです。
工程ごとに見ると、遅れの多くは書類の準備段階で生じます。請求書・通帳・決算書・本人確認書類をあらかじめ揃え、午前中に申し込み、取引の経緯を即答できるよう整理しておけば、当日中の資金化も十分に狙えます。
一方で「最短2時間」は条件が整った場合の最短値であり、標準ではありません。速さを理由に契約内容の確認を省かず、手数料の総額と償還請求権の有無は署名前に必ず確かめましょう。





