でんさい(電子記録債権)とファクタリングの違いとは?資金調達にどちらがおすすめか解説

でんさい(電子記録債権)とファクタリングの違いとは?資金調達にどちらがおすすめか解説

【記事更新 】

2023/05/23

新しい債権のカタチであるでんさい(電子記録債権)。でんさいはファクタリングと同様に、支払期日よりも前に現金化(資金調達)する方法があるのです。

また、でんさいファクタリングという仕組みまであり、でんさいとファクタリングで混乱される方が多くいらっしゃいます。

そこで今回は、ファクタリングとでんさいの違いについて解説していきます。さらに、ファクタリングとでんさい、どちらを利用した資金調達がおすすめか状況別にご紹介します。

【そもそも】ファクタリングとは

始めに、ファクタリングはどのような資金調達方法なのか、概要を確認しておきましょう。売掛債権の売却、最短即日で資金調達が可能である点、審査が債権重視であることを解説します。

売掛債権の売却

ファクタリングとは、企業が保有する売掛債権をファクタリング会社に売却し、現金化する手法です。これにより、売上があったものの現金化されていない売掛債権を活用することができ、企業の資金調達を円滑に進めることが可能になります。

特に、資金繰りの厳しい時期や成長期において売掛債権の現金化は、自社のビジネスを維持したり加速させるのに役立ちます。

最短即日で資金調達が可能

ファクタリングの大きなメリットとして、最短即日で資金調達が可能であることが挙げられます。一般的な銀行融資に比べて手続きがスピーディーで、企業が急な資金ニーズに対応できます。

また、自社の売上高や資本金額に関係なくファクタリングは利用できるため、中小企業やビジネスをスタートされたばかりの方にも適した資金調達方法です。

審査は債権重視

ファクタリングの審査では、取引先の信用情報が重要視されます。つまり、自社の信用情報等よりも、取引先の信用力が高ければ審査に通過しやすくなります。ご時世等で経営が厳しい企業さまも、ファクタリングを利用することで資金調達が可能になります。

また、ファクタリングでは債権のリスクもファクタリング会社が負担することが多いため、企業にとって安心して資金調達ができる手段となっています。

でんさい(電子記録債権)とは

新しい金銭債権の形である「でんさい」について解説します。でんさいが手形や売掛の問題を解消している点や、資金調達が可能であることについても触れます。

新しい金銭債権のカタチ

でんさい(電子記録債権)とは、一般的な売掛金や手形などの金銭債権をデジタル化したものです。従来の金銭債権と同様に、商品やサービスの代金を請求する権利を持っていますが、紙の手形や売掛帳とは異なり、電子データとして管理されます。

これにより、債権の処理や管理がスムーズになり、過去の記録を簡単に検索できる利点があります。また、でんさいは法的にも認められた有価証券として扱われるため、信頼性も高まっています。

この新しい金銭債権のカタチであるでんさいは、ビジネスにおける売掛金管理や資金調達に関連する問題を解決する可能性があると注目を集めています。

手形や売掛の問題を解消している

従来の手形や売掛金にはいくつかの問題がありました。例えば、紙ベースであるため管理が煩雑であり、営業担当者が債権回収に多くの時間を費やすことがありました。また、紙の手形は郵送や保管にリスクが伴い、損失や盗難の可能性がありました。

しかし、でんさいはこれらの問題を解消しています。電子データとして管理されるため、債権の移転や譲渡が容易であり、柔軟な資金管理ができるようになります。

また、紙の手形のような物理的なリスクもなくなりセキュリティも向上し、業務効率を向上させるメリットがあります。

なお、でんさいは金融機関への手数料は必要ですが、手形の印紙税や郵送料、発行の手間、手形の誤封入の心配がなくなります。

でんさいも資金調達が可能

でんさいは、資金調達の手段としても利用できます。でんさいに基づく資金調達には、主に「でんさい割引」と「でんさいファクタリング」の2つの方法があります。これらの方法は、企業が資金繰りを改善し、成長を支えるために役立ちます。以下で詳しく解説します。

でんさいで資金調達する2つの方法

でんさいを活用した資金調達の具体的な方法である「でんさい割引」と「でんさいファクタリング」について解説します。

でんさい割引

でんさい割引とは、でんさいを金融機関やでんさい割引業者に売却して、現金化する方法です。売掛金の回収期限を待たずに現金を得ることができ、資金繰りの改善に役立ちます。

また、でんさい割引は、通常のファクタリングよりも手続きが簡単で、スピーディーな資金調達が可能な場合があります。

でんさいファクタリング

でんさいファクタリングとは、でんさいにファクタリングの機能を加えたサービスで、​​三菱UFJファクター株式会社や三井住友銀行といった金融機関などでサービスが提供されています。

三菱UFJファクター株式会社の「でんさい一括ファクタリング」では、「でんさい割引などの資金調達手段に加え、ファクタリングサービスのご利用が可能」と説明されています。

詳しくは、でんさいファクタリングを提供している企業にお問い合わせください。

ファクタリングとでんさい割引の違いとは

ここでは、企業の資金調達でよく利用されるファクタリングとでんさい割引の違いについて解説していきます。特に、債権の性質や未回収時のリスクの所在、融資の有無について考察します。

債権の性質

まず、ファクタリングとでんさい割引の違いの一つ目は、扱う債権の性質です。

ファクタリングでは、売掛債権を対象に資金調達を行います。売掛債権とは、商品やサービスを提供した後、決められた期間内に回収されることが予定されているものの、現時点では未回収の債権です。電子化はされていません。

一方、でんさい割引では、電子記録債権(でんさい)を対象に資金調達を行います。でんさいは、手形や売掛の問題点を解消した新しい金銭債権のカタチであり、オンライン上で簡単に譲渡や管理ができます。

そのため、ファクタリングは売掛債権を持つ企業に、でんさい割引はでんさいを持つ企業が行なう資金調達方法となります。

未回収時のリスクの所在

次に、未回収時の責任のリスクの違いについて解説します。

ファクタリングでは、売掛債権の売却(債権譲渡契約)によって資金調達を行うため、未回収のリスクがファクタリング会社に移ります。そのため、取引先の支払い遅延や倒産が発生しても、ファクタリングを利用した企業は未回収分のリスクを負わなくて済みます。

これに対して、でんさい割引では、未回収時の責任は割引を受けた企業にあります。そのため、取引先が支払遅延になったり倒産が発生した場合でも、でんさい割引を利用した企業は未回収分のリスクを負うことになります。

審査で重視される項目(融資の有無)

最後に、融資の有無についてです。ファクタリングでは、売掛債権の売却を通じて資金調達が行われるため、融資に該当しません(貸金業法にも該当しません)。そのため、ファクタリングの審査では売掛の支払企業の信用力を中心に審査が行われます。

一方、でんさい割引では、でんさいを担保に資金調達を行うため、融資と捉えられます。そのため、でんさい割引では取引先だけでなく自社の信用力も審査で重視されます。

ファクタリングとでんさい:どちらが資金調達におすすめ?

でんさいも売掛金もある場合、一体どちらを使い資金調達をすべきか悩む方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、ファクタリングとでんさいを比較しつつ、資金調達にはどちらがおすすめか、それぞれの特徴やおすすめポイントについて解説します。

手数料を抑えたい場合:でんさい

ファクタリング会社やでんさい割引を扱う企業、またファクタリングの種類によって手数料は異なりますという前置きはありますが、でんさいの方が手数料を抑えられる可能性があります。

特に銀行系のファクターは手数料が安い傾向にあります。しかし、審査が厳しく、債権の金額も大口、審査に数週間かかるというケースもあります。

一部のみ資金調達したい場合:でんさい

でんさいを利用する際の大きなメリットは、一部の売掛金や請求だけを選んで融資を受けられる点です。これにより、資金調達のタイミングや額を柔軟に設定することができます。

一方、ファクタリングでは、売掛金全体をファクタリング会社に売却するため、一部のみを選んで資金調達することが難しいのです。

資金調達のタイミングや額を自由に設定したい場合は、でんさいが適しています。

審査通過率を高めたい場合:ファクタリング

ファクタリングでは、売掛債権を売却することで資金調達が行われます。審査は債権重視のため、自社の信用力や過去の取引履歴よりも売掛債権の信用力が重視されます。

そのため、審査基準が厳しい銀行融資やでんさい割引に比べて、審査通過率が高い傾向があります。資金調達の際、自社の信用力や取引履歴に自信がない場合や、審査通過率を重視したい場合は、ファクタリングがおすすめです。

取引先のデフォルトリスクを避けたい場合:ファクタリング

ファクタリングを利用すると、売掛債権を売却することで資金調達が可能となります。この際、売掛債権の回収リスクはファクタリング会社が負うため、企業は取引先のデフォルトリスクから解放されます。

これに対してでんさい割引の場合、取引先にデフォルトリスクが生じ不渡りとなった際は、自社(受取企業)が支払義務を負います。

そのため、取引先の支払能力や信用リスクを気にせず資金調達を行いたい場合は、ファクタリングがおすすめです。

【今回のまとめ】
でんさいとファクタリングを使い分けて企業成長を
資金調達において、ファクタリングとでんさいにはそれぞれ特徴があります。

ファクタリングは売掛債権の信用力が主に審査され、デフォルトリスクを避ける使い方も可能です。でんさいは、でんさいの一部を使い資金調達したり、手数料を抑えられる可能性がありますが、面審査が厳しめという側面もあります。

それぞれの特徴を理解し、使い分けることで効果的な資金調達が可能です。自社のニーズや状況に合わせて、ファクタリングとでんさい割引を使い分けることが企業成長に繋がるでしょう。

弊社では最短即日でのファクタリングも可能ですので、ファクタリングをご利用の方はぜひ一度、お問い合わせください。
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