ファクタリングと手形割引の違いを解説！ビジネスで賢く活用する方法とは

資金調達はビジネスを成長させる上で欠かせない要素ですが、ファクタリングと手形割引の違いが分からず、どちらを利用すべきか悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。

資金調達はビジネスを成長させる上で欠かせない要素ですが、ファクタリングと手形割引の違いが分からず、どちらを利用すべきか悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。どちらの方法が自社のニーズに適しているのか、そしてより効果的な資金調達を行うためのポイントを押さえて、ビジネスを加速させていきましょう。

ファクタリングと手形割引の概要

ファクタリングと手形割引の基本的な概念を説明し、それぞれがどのようなシステムであるのかを簡単に解説します。

ファクタリングとは

ファクタリングとは、売掛債権を活用した資金調達方法の一つです。
具体的には、企業が取引先から受け取るべき売掛金を、ファクタリング会社に売却することで、期日前に資金を調達することができます。

また、企業が売掛債権の回収にかかる手間やリスクも減らすことができます。これにより、資金繰りの改善やキャッシュフローの安定化を図ることが目的となります。

手形割引とは

手形割引とは、受取手形を金融機関等に持ち込み、期日前に現金化することを目的とした資金調達方法です。通常、手形であれば、支払期日まで数ヶ月かかることはよくあります。

しかし、手形割引を利用することで、企業は手形の支払い期日を待たずに、すぐに資金を手にできます。

また、手形割引は融資の一種でもあるため、振出した企業と手形割引を依頼した企業（自社）の信用力や支払能力を審査するという特徴もあります。

ファクタリングと手形割引の違い

ファクタリングと手形割引は、本来の期日よりも前に債権を現金化できる点は同じです。では、具体的にどのような点が異なるのか解説していきます。

なお、2社間ファクタリングと手形割引は、原則どちらも取引先にバレずに資金調達が可能です。

取引物の違い

大原則として、ファクタリングと手形割引では、取引の対象となる物が異なります。ファクタリングは売掛債権を売却することで資金を調達する方法であり、売掛債権そのものが取引物となります。

一方、手形割引は手形を担保に貸し付けを受けるため、手形が取引物となります。これらの違いから、ファクタリングは売掛債権を持つ企業が利用しやすく、手形割引は手形を受け取る取引が多い企業に適した資金調達方法と言えます。

金利・手数料の違い

ファクタリングと手形割引の金利や手数料にも違いがあります。

手形割引は貸金業法や利息制限法の規制を受けるため、ファクタリングよりも手数料が低いケースがあります。ただし、金利は利息制限法の範囲内であっても、企業の信用力や手形の発行者によって異なるため、必ずしも手形割引が安くなるわけではありません。

また、ファクタリングは売掛債権の売却に伴う費用であるため、手形割引より手数料が高くなる可能性もあります。ただし、3社間ファクタリングや審査によってはその限りではありません。

審査で重視される項目の違い

ファクタリングと手形割引では、審査で重視される項目が異なります。ファクタリングは売掛債権の売却のため、売掛の信用力、つまり取引先の信用力が重視されます。

これに対して手形割引は借入でもあるため、自社の信用力も審査されます。そのため、信用力の低い企業はファクタリングの方が審査が通りやすい可能性があります。

デフォルトリスクが発生した時の違い

ファクタリングと手形割引では、デフォルトリスクが発生した場合の対応が異なります。

ファクタリングの場合、ノンリコースが原則のため、デフォルトリスクはファクタリング会社が負います。ファクタリング後に取引先が倒産したとしても、ファクタリング会社に対して支払義務はありません。

これに対して、手形割引の場合は、取引先が倒産などでデフォルトした場合に手形の支払いが免れることはなく、代わりに自社が支払うことになります。つまり、ファクタリングはノンリコースである一方で、手形割引はウィズリコースという違いがあります。

取引先の信用力が低い場合やデフォルトリスクが心配な場合は、ファクタリングが適した資金調達方法と言えます。

手形割引とファクタリング、どちらを使うべき？

売掛債権も手形もある場合、どちらを活用して資金調達をすべきか悩むこともあるでしょう。ここでは、手形割引とファクタリングのうちどちらの資金調達方法を選ぶべきか、審査や手数料、デフォルトリスクの観点から解説していきます。

審査通過率が高い方を利用したい時：ファクタリング

手形割引もファクタリングも、利用する際は審査があります。しかし、審査項目に違いがあります。

ファクタリングの審査では、主に取引先の信用力が重視されます。これは、売掛債権の質が資金調達の決め手となるためです。自社の信用力があまり高くなくても、取引先が信用力のある企業であれば、ファクタリングの審査は通りやすくなります。

一方、手形割引の審査では自社の信用力もチェックされるため、審査通過率はファクタリングに比べて低くなる可能性があります。これは手形割引はウィズリコース（償還請求権あり）があるためです。

そのため、審査通過率が高い方を利用したい場合は、ファクタリングが適しているでしょう。

手数料を抑えたいとき：手形割引

ファクタリングより手形割引の方が手数料が低く抑えられるケースがあります。

これは、手形割引が貸金業法や利息制限法等の規制を受けるため、一定の範囲内で金利が設定されているからです。ファクタリングの場合は、債権の売買（譲渡）ですので、貸金業法といった法律の規制がありません。そのため、場合によっては手形割引よりファクタリングの手数料の方が高くなるというケースもあります。

しかし、自社や取引先などの信用力や3社間ファクタリングなどケースバイケースで手数料は変動しますので、その点はご注意ください。

売掛先のデフォルトリスクが心配な時：ファクタリング

売掛先が倒産したり、支払いが滞るリスク（デフォルトリスク）がある場合、ファクタリングを利用することでそのリスクを軽減できます。

デフォルトリスクが発生した場合、ファクタリングでは売掛債権の売却が完了しているため、デフォルトリスクはファクタリング会社が負います。

他方、手形割引の場合は、デフォルトリスクを自社が負担することになります。繰り返しの説明となり恐縮ですが、手形割引は債権求償権（ウィズリコース）があるためです。

そのため、売掛先のデフォルトリスクが心配な場合は、ファクタリングの利用がおすすめですデフォルトリスクやウィズリコースを気にせず、ビジネスに集中できるようになるでしょう。