売掛金の回収が難しい理由とは|資金繰りをカバーする方法も解説

売掛金の回収が難しい理由とは|資金繰りをカバーする方法も解説

【記事更新 】

2023/01/31

売掛金の回収は、事業運営上、多かれ少なかれほぼすべての経営者が直面する問題です。

しかし、この売掛金の回収を確実に成功させるのは、非常に難しいことです。

特に、売掛金を回収できないケースで多いのが、「未払いのまま倒産してしまった」「取引を中止したいと言われた」「すでに支払能力がない」などといった、売掛金の回収が困難になる状況でしょう。

とはいえ、そのような話を毎度聞いていては、自社の経営はたちまち、窮地に陥ることでしょう。

そこで今回は、売掛金の回収について解説するとともに、他の方法でいち早く資金繰りをカバーする方法をご紹介します。

売掛金の回収は難しい?

まずそもそも、なぜ売掛金の回収が難しくなるのかについて説明していきます。売掛金の回収が難しい理由には、主に以下の2つが挙げられます。

売掛金の回収が難しい理由1:取引先の経営状態の悪化による支払い不能

まず1つ目の「取引先の経営状態の悪化による支払い不能」ですが、これは簡単に言うと「経営不振により売上が減少している」ということです。

例えば、飲食店を経営している場合、お客さんが来なければ当然売り上げは減ります。
製造業であれば、商品の需要が減ったり、材料費が高くなったりして利益が減ることもあり、こうしたところから取引先の経営状況悪化、というシナリオも有り得ます。

このような経営状態の悪化はどの業種のどの会社でもありうることです。

つまり、経営状態の悪化によって支払いが不能になることもまた、どこでも起こりうること、というわけです。

売掛金の回収が難しい理由2:取引先とのトラブルや信頼関係の崩壊

2つ目の「取引先とのトラブルや信頼関係の崩壊」ですが、「取引先との関係性が悪化」しているということです。

例えば、取引先と契約上のことで揉めたり、あるいは取引先が自社のライバル会社との関係の方を重視し始める、といったことが考えられます。もしくは、自社から取引先への納品の納期が遅れたり品質にクレームが入ったりすることで、取引先から自社への信頼が損なわれるケースもあります。

会社経営においては不測の事態はつきものですから、経営者がいくら気をつけていても、このようなトラブルの発生は十分考えられます。つまり関係性の悪化に端を発する売掛金の回収困難もまた、いくらでも発生しうる、というわけです。

取引先が売掛金を支払えない理由とは?

それでは、取引先が売掛金を支払うことができない理由として、どのようなパターンが考えられるでしょうか?ここでは以下の代表的な3パターンを紹介します。

パターン1:シンプルに業績が悪化している

まず「シンプルに業績が悪化している」ということが考えられます。

上でも述べたように、売上の減少や材料費の高騰などにより、赤字が続けば、会社の業績は悪化していきます。取引先の経営判断のミスによって業績が悪化するケースもあれば、昨今の新型ウイルスの流行のような、どうしようもない外的要因による業績の悪化というケースもあります。

この業績の悪化の状況が深刻ならば、売掛金も支払えなくなります。

パターン2:租税公課の差し押さえを受けている

次に「租税公課の差し押さえを受けている」というものです。

このパターンだと、現在の売上などは良好でも、以前の業績不振時に払うことができず滞納していた租税(法人税や消費税などの国税や、事業税、固定資産税などの地方税)や公課(課徴金・賦課金や社会保険料など)の差し押さえをいま受けている、といったケースも考えられます。

パターン3:連鎖的に資金繰りが悪化している

もう一つのパターンが「連鎖的に資金繰りが悪化している」というものです。

一般的には、会社というものは一社だけを相手に取引をしているわけではありません。自社の取引先(債務者)はまた、別の会社と取引をしており、自社の取引先は別の会社にとっての「債権者」であったりします。

このとき、自社の取引先にとっての取引先が業績悪化などを理由に資金繰りが悪化し、自社の取引先への支払いが遅れたり不能になったとします。すると連鎖的に自社の取引先の資金繰りも悪化する可能性があります。

売掛金が回収不能になる原因は、自社の取引先の経営状態だけではない、というわけです。

遅れた売掛金の回収・5つのステップ

ここでは、遅れた売掛金を回収するための、次の5つのステップを紹介します。取引先との良好な関係を続けるためには、急に後半のステップに飛ぶ(いきなり訴訟する、など)ことはおすすめしません。

ステップ1:まずは電話等で交渉

まずは、書類などに残らない形での交渉、つまり電話や訪問による交渉を行いましょう。

相手の説明をよく聞き、不審な点がないかなどを判断しつつ、交渉を進めます。これで解決すればそれに越したことはありません。

ステップ2:督促状の送付

電話などでの交渉が不調に終わった場合、もしくは電話や訪問そのものを受け付けてくれない場合などは、速やかな入金を促す督促状の送付に進みます。

督促状に記載する内容としては、「宛先(誰に対する督促なのか明記)」「発行日・差出人(どの会社のどの役職の誰が、支払い期限以降のいつに発行したものか明記)」「表題(督促状であることを示す)」「支払い要求(請求書番号でどの件についてかを明示し、金額はいくらか、支払い期日はいつかを明記」「法的措置への言及」が必要です。

さらに、返信欄を設け、取引先からの返答を待ちましょう。

ステップ3:商品等の回収・引き上げ

督促状に示した支払い期日にも入金がない、もしくは督促状への反応自体がない場合には、商品などの回収・引き上げに進みます。

このとき、無断で商品などを持ち出してはいけません。一定の手続きが必要になります。

所有権留保がある(支払いが終わるまで所有権を売り主である自社に留保する取り決めをしている)場合は、引き上げること及び立ち会いについての合意書を作成しておきましょう。

所有権留保がない場合は、代金が未払いであることによる債務不履行解除の合意解除が必要になります。その上で、引き上げ・立ち会いの合意書を取り交わしておきましょう。

商品引き上げの際には、取引先の人に立ち会ってもらうことも必要です。

ともあれ、商品等の回収・引き上げには取引先の協力が必要です。

ステップ4:内容証明郵便の送付

督促状が無視された場合や、商品等の回収・引き上げに取引先の協力が得られない場合などは、内容証明郵便で督促状を送付しましょう。

内容証明郵便とは、文書の内容・差出人・宛先・作成した年月日とともに、郵送した事実を公的に証明することができる郵便のことです。

これ自体に法的拘束力はありませんが、法的手段における証拠になるため、訴訟の前段階によく用いられます。

ステップ5:訴訟提起~差し押さえ(強制執行)

内容証明郵便の送付をもってしても、事態が打開されないとなれば、訴訟提起を考える必要が出てきます。

訴訟で勝てば、差し押さえ(強制執行)によって、本来支払われるべきだった売掛金(および損害賠償金)分を取引先の資産から回収できる、という流れになります。

ただし、訴訟から差し押さえまでは時間がかかりますし、確実に回収できるかはわかりません。

どうしても売掛が回収出来ない!そんなときの「ファクタリング」

売掛金の回収に向けてのステップは上に述べた通りですが、どうしても回収できない、もしくは自社の資金繰り的に、そんなステップを踏んでいる余裕がない場合には、どうしたらよいでしょうか。

そのような時には「ファクタリング」の活用をおすすめします。なおファクタリングには色々なタイプがありますが、ここでは「事業者向けファクタリング」のことを指します。

事業者向けファクタリングとは、民法に規定された債権譲渡であり、売掛債権の買取りによる資金提供を目的とするものです。

すぐに回収できない売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらい、前倒しで資金を獲得することができます。

ただし、売掛債務者である取引先の経営状況などを考慮した分の手数料は引かれることは念頭に置く必要があります。

回収が難しくなっている売掛債権があるが、取引先と交渉し続けたり訴訟に持ち込むような時間はなく、支払われる予定の金額の100%でなくてもいいからとりあえず資金が必要、という要望にファクタリングは応えてくれます。

【今回のまとめ】
売掛金の回収に難航したらファクタリングで自社資金繰りの改善を
今回は、売掛金の回収について解説するとともに、他の方法でいち早く資金繰りをカバーする方法として、ファクタリングを紹介しました。

売掛金の回収が難しい状況になるパターンはいくつもあります。それゆえに、どのような会社にも起こりうることといえます。

売掛金の回収ができないとなれば、打つべきステップがありますが、自社の資金繰りに余裕がない時にはそれらを行う時間の余裕がないこともままあります。

そんな時に、ファクタリングによる資金確保は、最善の手法のひとつです。

突然の売掛金の回収の困難に直面している方は、当社までご相談ください。
弊社は事業者様と共に
ファクタリングサービスを通じて
社会へ繋がっていきます。