【倒産回避】会社を畳む前に検討すべき「事業再生」の手法とは?

【倒産回避】会社を畳む前に検討すべき「事業再生」の手法とは?

【記事更新 】

2026/03/06

企業経営者として倒産という最終手段を取る前に、まずは考えたいのが事業再生です。倒産を選択してしまえば、会社はなくなり、経営者自身だけではなく、自社で働いてくれていた全社員の人生にも大きな影響を与えてしまいます。

こうした事態に陥る前に、取るべき手段が事業再生です。事業再生には大きく分けて私的整理法的整理の2つがあります。この2つの手法に関して詳しく解説していきます。

事業再生の手法【私的整理】

私的整理とは、裁判所に頼らず自社の力で再生を目指す方法を指します。法的な後ろ盾がない方法ではありますが、どの企業でも取れる手法であり、企業経営者としてはこうした私的整理の手法について知っておくことが重要です。

スケジュールの見直し

改めて確認しておきますが、倒産というのは赤字経営だから陥いるものではありません。倒産をしてしまうのは、手元の現金が不足してしまうのが原因です。例え黒字経営でも、キャッシュフローが悪化し、一時的に現金が足りなくなれば倒産という結果に陥りかねません。

反対に言えば現金さえ確保できていれば、倒産は回避できるということ。そのために行うのがリスケ、つまりスケジュールの見直しです。具体的に何のスケジュールを見直すかと言えば、金融機関等に対する返済スケジュールを見直します。

企業が自社の現状を債権者である金融機関に報告し、返済のスケジュールを少しでも見直してもらう、また毎月の返済金額を見直してもらうことで、現金不足を回避し事業を再生する方法となります。

もちろん返済の猶予をもらう交渉ですので、簡単に進む交渉ではありません。しかし企業経営者として、倒産をしないためにできることはすべて行う必要があり、債権者である金融機関との交渉は避けては通れないものといえるでしょう。

一部債務免除の依頼

債権者である金融機関に対し、自社の状況を説明することで、債務の一部を免除してもらえるケースがあります。返済の一部を免除してもらいますので、当然ですが上で紹介したリスケよりもさらに厳しい交渉になるのは間違いありません。

多くの場合、債務免除を求めるのであれば、今後の企業としての事業改善計画を提出する必要があります。どれだけ支出を抑えることができるか、支出を抑えながら利益を確保できるのかというのが大きなポイントです。

人件費の削減や、一部拠点の売却、さらに不採算事業の閉鎖など、金融機関の担当者が見た時に、ここまでやるなら再生できるかもと思ってもらえるような抜本的な改革案を提示する必要があるでしょう。

事業再生ADR

ADRとは「Alternative Dispute Resolution」の頭文字をとったもので、直訳すれば「代替紛争解決」ということになります。事業再生ADRとは、弁護士等の第三者を間に挟み、金融機関と交渉を行う手法です。専門知識の豊富な第三者と金融機関の話し合いにより、どのような企業再生計画を建てるべきかが検討されます。

経営者としては、専門家に任せることで話がスムーズに進む可能性もあり、安心して任せることができる手法と言えるでしょう。ただし、その話し合いの中で、経営陣の退陣などが条件となるケースもありますので、その点は理解しておく必要があります。

公的機関による無料相談

事業再生は自社の従業員を守るためにも重要なものです。また、自社が倒産するというのは、自社と取引がある他社や、自社の周辺地域にとっても重要な事態を招く可能性があります。

各都道府県には「中小企業再生支援協議会」や「地域経済活性化支援機構」といった組織が設置されています。こうした組織に自社の状況を相談することも可能です。相談をしながらどのようにして事業を再生していくかの再生計画を作成することで、金融機関との交渉が進めやすくなるケースもあるでしょう。

こうした公的機関への相談等は原則として無料でできます。事業再生を考えた場合、まず真っ先に相談するのはこうした公的機関かもしれません。

事業再生の手法【法的整理】

事業再生の方法として、法的整理という手法があります。法的整理に関しては、事業を自身の手で再生する手法というより、差し押さえなどの強制執行を回避するために用いられるのが一般的です。

事業再生の順序としては、まずは私的整理という手法でなんとか事業再生を目指し、それでも厳しい場合は法的整理を考えるという形になります。

民事再生法の活用

民事再生法とは、経営的に厳しい状況にある企業が、事業を継続しつつ再建を目指す手法です。民事再生法を利用する企業は裁判所の監督下に入り、その中で事業再生を目指します。裁判所は申請企業の債務を最大90%まで圧縮するなどの判断を行い、債権者に通告などを行います。

裁判所の判断で負債の減免を受けるなどメリットの多い手法に見えますが、当然ですがデメリットもあります。裁判所の作成した再生計画が実行できなかった場合などはそのまま破産手続きに移行されるのが一般的です。また、民事再生法を利用したことは公にされますので、自社の社会的信用は一気に落ちます。取引先からの信用も落ちるため、これまで通りに事業を続けていくことは非常に難しくなるでしょう。

最終的に倒産を選択する多くの企業がこの民事再生法を活用しているのが現実であり、倒産を回避する方法というだけではなく、倒産をした場合に混乱が起きないようにするための手法とも考えられます。

会社更生法の活用

民事再生法と似た法律に会社更生法という法律があります。どちらの法律も、裁判所が間に入り事業再生を目指すという点では同じ目的がありますが、当然違いもあります。

民事再生法は主に中小企業や個人事業主向けの法律であり、手続きが迅速であるという特徴があります。会社更生法は株式会社のみが利用できる手法で、主に大企業向けの法律です。

また、民事再生法の場合、原則として経営陣は退陣することなく事業再生を目指しますが、会社更生法では経営陣は退陣し、裁判所が指名した管財人が中心となって事業再生を目指すという違いもあります。

中小企業経営者の方は、基本的には民事再生法を活用することをイメージしておくといいでしょう。

倒産を前に取りたい手法

事業再生を考えるのは倒産という最悪の事態を回避するためです。そのために私的整理を検討し、その先に法的整理を考える必要があります。こうした手法を取る前、または取りながらも、自社として取れる手法に関しても解説していきましょう。

会社分割や事業譲渡

倒産をするというのは、基本的に手元の現金が不足をすることが原因となります。なぜ現金が不足するかは企業次第でさまざまな事情があるでしょう。しかしもっとも多いケースが赤字経営であると考えられます。

企業が赤字経営となるのであれば、赤字の主な原因となる不採算事業から手を引くという方法が考えられます。自社の行っている事業の中で、採算が取れていない事業を第三者に譲渡する、もしくは閉鎖する、さらに会社を分割し、不採算事業の会社のみ倒産させるという方法が考えられます。赤字経営の事業が無くなれば、自社の経営規模こそ落ちますが、経営状態、特に経理の面でも大きなプラスです。

また、実際にこうした計画を実行させる前でも、計画を立て計画書を作成することで金融機関とのリスケ交渉なども進めやすくなるでしょう。

自社の経営規模を縮小させるというのは、経営者にとっては苦渋の決断かもしれません。しかし、従業員を守るため、倒産を回避するために、まずはできることをしっかり行うようにするべきでしょう。

事業再生を考えるべきタイミング

事業再生を目指すというのは、経営者にとって大きな決断です。どのような場合にこの大きな決断をすべきか、そのタイミングを考えてみましょう。

現金不足が解消できない

繰り返しになりますが、倒産の直接的な原因は現金不足です。反対に言えばどれだけ利益率が下がろうが、手元に現金を確保できている限り倒産をする可能性は高くありません。

つまり、現金が完全に不足する前、不足しそうなタイミングで事業再生に関して考えるのが重要です。完全に現金が不足してしまい、金融機関等への返済や納税が遅延するタイミングから考えたのでは遅いと言わざるを得ません。

そのためにも定期的に資金繰り表を作成し、自社の現金の流れを把握しておく、危険なタイミングがないか把握しておくことが重要になるでしょう。

事業再生を考える前に

企業経営者としては、できれば事業再生等に関して考えるような事態は避けたいところです。とはいえ、社会の流れや為替相場、天候など不測の事態の影響で、どうしても利益率が下がってしまうというケースはあるでしょう。

事業再生を考えるということは、手元にある現金に不安があるという事かと思います。そのためには、無理なく手元に現金を確保するというのが重要であり、そのための方法をいくつか準備しておくのが肝心になります。

ファクタリングでキャッシュフロー改善を目指そう

手元の現金が不足するということは、根本的に経営状況が良くない、もしくは現金の流れ、キャッシュフローが良くない形になっている可能性があります。そこでおすすめできるのがファクタリングという資金調達法です。

ファクタリングは手元の売掛債権を現金化する資金調達法であり、負債を増やすことなく現金を手元に確保できる方法です。審査も比較的通過しやすく、売掛債権を持っている企業であれば、多くの企業が利用可能。ファクタリングを利用してキャッシュフローを改善させながら、無駄な在庫を整理する、不採算事業を縮小するなど柔軟な対応をすることで、会社の倒産や事業再生といった危機を回避できるかもしれません。

【今回のまとめ】
危機的状況を迎えない準備が重要
企業を経営する以上さまざまな事態が発生するのは間違いありません。こうした事態のすべてを回避するというのは簡単ではありませんが、できるだけ回避するというのであればいくつか方法は考えられます。

特に事業再生などの危機的状況に関しては、手元の現金がどの程度用意できるかが重要です。本当に危機的な状況を迎えないためにも、資金融資だけではなくファクタリングなどより多くの資金調達法を知り、危機的状況に陥らないように準備しておくことが重要です。
弊社は事業者様と共に
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